金利が上がれば不動産価格は下落する傾向にあり、金利が下がれば不動産価格は上がる傾向にあります。元々、不動産価格は需要とバランスで決まります。不動産だけに限った話しではありませんが、需要が多く供給が少なければモノの値段は上がり、逆の状態であれば下がります。
金利が上がるということはローン返済額も上がるので、不動産の購入意欲が減ります。不動産購入意欲が減るということは不動産需要の下落につながるので、供給が一定であれば不動産価格が下がるということです。
逆に、金利が下がり、ローンの返済額も下がれば不動産の購入意欲も上がります。
そうすると不動産の需要も上がり、不動産価格も上がります。今の日本の状況は後者の状況です。
現在の金融政策は超低金利であり、金融緩和の政策です。日銀は量的・質的緩和を行なうことで市場にお金を投下し、世の中にお金が出回るようにしています。
2016年にマイナス金利政策が採用されましたが、このマイナス金利政策以降、住宅ローン金利も下がっています。
銀行が優遇金利を上げて、貸し出し金利を下げているので、2010年頃は0.8%程度だった金利は、現在、0.5%を切る商品もあるくらいです。
日銀の黒田総裁が続投したことで、今後も金融政策は続く可能性が高いでしょう。黒田総裁は積極的な金融緩和政策を展開しており、続投する限りは物価上昇が目標値に到達するまでは金融緩和を続けるでしょう。
低金利の状態が継続する事が予想されるので、不動産の需要は続くものと思われます。
利回りは「年間賃料収入÷物件取得価格」で算出される指標で、その物件に投下したお金を何年で回収できるかという点を表しています。
現状、利回りは低下しており価格が上昇している現象は、区分マンション・一棟マンションにも同じ傾向が見られるため、投資家からすると投資目的で不動産を所有するメリットは下がっているということです。
2016年の秋に、金融庁からアパートローン向け融資の監視強化という報道が出されて以降、不動産投資目的での融資が厳しくなると危惧されました。
スルガ銀行の不正融資問題がおきたこともあり、投資目的の不動産需要が下がり、不動産価格も下落する傾向にあります。
現在の金融政策は量的・質的緩和を行うことで、市場にお金を投下し世の中にお金が出回るようになっています。
日銀総裁・首相の体制は変わらず、しばらくは低金利の状態は続くと予想されるので、不動産の需要は続くものと思われます。
しかし利回りや空室率の状況を見ると収益物件を保有するメリットは少なくなっており、投資目的での不動産購入は今ほどの勢いを続けるのは厳しくなるでしょう。
そうなると、投資目的での不動産の需要が減り、不動産価格も下落する可能性があります。
東京都心や一部の地域では良いですが、地方圏の不動産価格に上昇要因は見当たらず、下落要因が多いと言えます。