2024年3月15日
高水準だった国内の不動産売買に減速感がでており、
2018年7月~12月の取引額は1兆7290億円と前年に比べ34%↓減りました。
半期の取引額としては6年ぶりの低水準で、
これまで欧米市場などに比べ値ごろ感があると積極的だった海外勢が購入を控え始め、
潤沢な世界のマネーが日本の不動産市場にも流れ込む構図に変化がみられます。
海外勢による購入は1年前は全体の30%強を占めましたが、
2018年下期は919億円と前年同期から90%減少しました。
昨年後半にかけ物件が減り始め、出回る案件も高額すぎて採算が合わず、特に大型取引が減っており、
2018年は開発用地の取引を除くと関電不動産開発など7社連合が「芝パークビル」を購入した約1500億円が最高でした。
2017年の場合、中国の安邦保険集団が米ブラックストーンから約2600億円で賃貸マンション約200棟を取得するなど大型取引がありました。
高値圏にある不動産価格の一段の上昇余地が狭まりつつあるとの見方が増えており、
賃料収入との比較でみた投資利回りが3%台前半まで低下し、さらに低い利回りを許容できる投資家は少ないでしょう。
最近は、かつて中国人投資家が大量に購入した湾岸のマンションの売り物がでている声もきかれます。
経済減速下での資金流出を警戒する中国当局の規制強化を受け、海外の不動産購入に向かっていた中国マネーが本国に回帰しているようです。
国内ではスルガ銀行の不適切な融資問題などを背景に金融機関が不動産向け融資に慎重になり始めた事情もあります。
高値警戒感の強い買い手の意向を反映し、2019年も低調な取引環境が続きそうです。