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全国各地で地価が低下している

 新型コロナウイルスの影響で全国区各地での地価が下落している。国土交通省が令和2年9月29日発表した2020年度の基準地価(2020年7月1日時点)は、全国の全用途の平均で3年ぶりの下落となった。都市部の開発を牽引した訪日客の需要が消失、都市商業地の減速感が強まった。新たな不動産価値も生まれつつあるが、今のところ地価の押し上げ効果は限られている。

 東京圏の下落地点は1463箇所と前年の2.5倍に増えた。住宅地をエリア別に見ると、東京23区が前年の4.6%上昇から1.4%上昇に縮小。23区の全てで上昇したが、上昇率5%以上は前年の13区からゼロになった。名古屋圏の地価はリーマンショック以降、穏やかに上昇を続けてきたが、今回はコロナの影響で全ての用途で下落に転じた。大阪圏の商業地は1.2%上昇した。8年連続の上昇だが、前年(6.8%)に比べると上昇率は縮小した。前年は全国の上昇率上位10位以内に関西から4地点がランクインしていたが今年はゼロになった。福岡圏は新型コロナの影響で地価上昇率が縮小したが、上昇基準は維持した。福岡市は商業地が7.5%、住宅地が3.5%の上昇だった。

商業地の上昇率は前年より訳ポイント縮小したが、中心部の再開発を控え、引き続き堅調に推移している。