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不動産担保ローンの借入可能額とは?算出方法や担保にできる不動産について解説!


家や土地を担保に融資を受けられる不動産担保ローン。カードローンなどの無担保ローンに比べて金利が低く、長期で借りられるため無理なく返済しやすいというメリットがあります。

本記事では、借入可能額を左右する担保不動産の評価方法や算出方法、どのような不動産が担保にできるのかについて解説します。

不動産担保ローンとは?

不動産担保ローンとは、所有している戸建てやマンション、土地などの不動産を担保にお金が借りられる有担保ローンのことです。不動産の価値や契約者の返済能力等をもとに審査を行い、借入可能額が決定します。以下に不動産担保ローンの主な特徴をご紹介します。

低い金利で借りられる

不動産を担保にすることで貸し手側のリスクを低くおさえられるため、無担保ローンに比べて低金利で借り入れられます。

使い道が自由

住宅ローンやカーローン、教育ローンのような使用目的が制限されているローンとは異なり、自由な目的のために使うことができます。不動産担保ローンの資金で他のローン借入金を返済し、支払を一本化する「借り換えローン」としての利用法もあります。

借入限度額が大きい

不動産の価値や審査によっては1億円以上の資金を借りることも可能です。金融機関によって異なりますが、借入可能額は不動産の担保評価額の60~80%が目安とされています。

不動産担保ローンの審査基準について

不動産担保ローンの審査基準について

不動産担保ローンの融資を受けるためには、申し込む金融機関等(銀行、信用金庫、ノンバンクなど)の審査を通らないといけません。審査では主に「不動産の価値はどのくらいか」「契約者に返済能力があるか」の2つの基準をもとに判断を行います。

不動産の価値はどのくらいか

担保となる不動産の調査を行います。不動産の価値が高いほど高額の融資を受けられる可能性が高くなります。

返済能力があるか

契約者が滞りなく返済ができるか、信用力を調査します。個人の場合は年齢や収入、勤続年数などが主な審査基準となり、法人の場合は事業継続年数や経常利益率、事業計画や将来性などを確認します。個人法人ともに、他の金融機関等からの借り入れ状況も審査の重要なポイントとなります。

担保評価額の算出方法

不動産の評価方法は金融機関によって異なり、算出方法も「積算価格(原価法)」や「収益還元法」など様々な手法があります。以下に、一般的な評価方法である「積算価格」について、土地と建物別にご紹介します。

土地の評価方法

土地の評価には、国土交通省が発表している「公示地価」、都道府県による「基準地価」、国税庁の「路線価」、市町村の「固定資産税評価額」など、公表されている価格を参考に調査を行います。

建物の評価方法

建物の評価額は、主に「再調達価格」をもとに算出します。
再調達価格とは、同一の建物を新たに建築し、購入した場合にかかる金額のことです。法定耐用年数から現在の築年数を差し引いた残存法定耐用年数を算出し、その数値に「再調達価格」と「延べ床面積」を掛けた金額が建物価格となります。そのため法定耐用年数が超過していると建物価格はゼロとなります。

不動産評価額に「担保掛目」を掛けた金額が担保評価額となります。担保評価額の算出方法や担保掛目は金融機関ごとに異なるため、同じ不動産を担保にする場合でも金融機関によって借入可能額が変わってきます。

不動産担保ローンで担保にできる不動産の例

不動産担保ローンでは、どのような不動産を担保にできるのでしょうか。いくつかの例をご紹介します。

建物の評価方法

住宅ローンが残っている物件を担保にした場合は、「第二抵当権」が設定されます。万が一借入金が返済できなくなった場合は物件が売却され、その売却金額を不動産担保ローンの借入先が2番目の権利で受け取れるということになります。

住宅ローンを融資している金融機関でほとんどが回収された場合は、資金が受け取れないこともあるため、多額の住宅ローンが残っている場合は審査に通らないことも。審査が甘いと言われているノンバンクであれば、二番抵当でも借りられる可能性があります。

築年数が古い物件

築年数が古い物件は価値が下がり審査に通過しにくい傾向にあります。ただし土地は経年劣化することがないため、築年数が古いからと諦めずに評価依頼をするとよいでしょう。

金融機関によっては、借入期間を残存法定耐用年数までとしているため長期間の借入ができなくなってしまう点や、前述したように築年数が法定耐用年数を超えると評価額がゼロになることもある点も注意が必要です。

家族名義の土地・建物

自分の不動産でなくても、親など家族名義の不動産を担保に借り入れられます。ただし不動産の所有者が不動産担保ローンの契約に同意し、物上保証人となる必要があります。

物上保証人に返済義務はありませんが、申込者がローンの返済ができなくなった場合、担保物件を失うことになります。

賃貸中の投資用不動産

第三者に賃貸中の投資用不動産も担保にできます。賃貸中の賃料を裏付ける書類として、賃貸借契約書の写しが必要になります。

不動産担保ローン申し込みから融資までの流れ

不動産担保ローン申し込みから融資までの流れ

1.事前審査の申し込み
金融機関のホームページから仮申し込みをします。正式に申し込みをする前に、所有している不動産で融資可能か確認することができます。

2.正式申し込み
仮審査の結果、内容に問題がなければ正式な申し込み手続きを行います。本人確認書類や印鑑証明書など、金融機関の指示に従って必要書類を提出します。

3.本審査
担保不動産や信用力の調査を行った上で審査をします。

4.契約
審査に通過したら、借り入れ条件の説明を受けます。契約に必要な書類を提出し、契約を締結します。

5.融資実行
指定した銀行口座に融資金が振り込まれます。

不動産担保ローンを申し込む時の注意点

不動産担保ローンを申し込む際は、事前にデメリットについて把握しておくことが重要です。以下に注意点をまとめました。

審査に時間がかかる

担保となる不動産と申込者の審査を行うため、融資を受けられるまで時間がかかります。融資開始までの早さを売りにしている金融機関であっても、融資金が振り込まれるまで数日から一週間程度は見ておくとよいでしょう。

手数料がかかる

不動産担保ローンでは、金融機関が不動産を担保とするにあたり、様々な費用がかかります。金利だけでなく手数料も考慮した上で有利な金融機関を選びましょう。

返済できない場合は、家を失うリスクがある

返済できない状況になった場合は、担保にした家や土地を手放す必要が生じます。これは物件には「抵当権」という権利が設定されるためです。抵当権とは、返済が難しくなった場合に担保である物件を売却し、その売却額を優先して受け取れる権利のことを意味します。

不動産担保ローンは抵当権が設定されるので、不動産担保ローンが返済できなくなると物件が売却されて、売却した代金でローンを返済しなければなりません。延滞が続き、金融会社によって強制的に物件が競売にかけられてしまった、ということにならないよう無理のない返済プランを設定することが重要です。

まとめ

不動産担保ローンを利用することで、低金利でまとまった金額の融資を長期間受けることができます。金利や審査内容、借入期間は金融機関によって様々。不動産担保ローン比較サイトのランキングや口コミ等を参考にしながら、自分に有利になるところを探してみてください。
担保評価額の算出方法も金融機関によって異なり、担保掛目は開示していないことが多いため、借入可能額を正確に知りたい場合は金融機関に相談するとよいでしょう。

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この記事を書いた人

コラム(お役立ち情報)編集部

コラム(お役立ち情報)編集部

ファイナンスや不動産業での知識と経験豊富なスタッフ(貸金業務取扱主任者や宅地建物取引士の有資格者)が中心となり、公認会計士事務所・弁護士法人・司法書士法人等の専門職の方からの意見やアドバイスを取り入れ、日々、執筆と監修を行っております。